【業界別平均年収】他業種とどれくらい違う?化学業界の特徴と年収の話

どうも、Dr.御餅月です!
本日は製造メーカーの中でも化学業界の年収とその特徴について、実際に化学メーカーで研究職として働いている私が体験をもとに解説していきます。
- 就職活動で化学業界の年収について知りたい学生さん
- 転職活動で化学業界の特徴を知りたい方
- 他業種への転職を検討している化学系会社員
結論
業種別の平均給与

各業種における平均給与を国税庁の統計資料 「令和5年分 民間給与実態統計調査」から引用しました。まず化学メーカーが属する製造業の平均給与はどのくらいでしょうか?平均給与は給料・手当・賞与を合計した値になります。製造業は全14業界中7番目に平均給与が高い業種で、平均給与は533万円であることがわかりました。最も平均給与が高いのは電気・ガス・水道などのインフラ業界で775万円でした。次点で金融業保険業、情報通信業がそれぞれ652万円、649万円でした。その次点で教育関連、建設業、複合サービス事業、化学が同水準で続いています。一方で、全国平均値の460万円と比較すると+73万円と高いことから、平均給与が比較的高い業界といえるでしょう。

私の他業種の同世代の人と年収の話をすると、年収が高いことを実感することが多いです!

製造業の中でも化学業界の平均年収は?

製造業の中でも化学メーカーの年収はどの程度なのでしょうか?求人情報サービスを提供しているdudaによると化学メーカーの平均給料は506万円です。製造業の中でも4番目に高い水準であることがわかります。年齢層ごとに比較すると、20代 432万円、30代 507万円、40代 594万円、50代 746万円です。
業種 | たばこ | トイレタリー | 総合電機メーカー | 化学メーカー | 自動車/輸送機器メーカー | 電子/電気部品メーカー | 機械/電気機器メーカー | 香料 | 鉄鋼/金属メーカー | ゲーム/アミューズメント機器メーカー | スポーツ/アウトドア用品 | 試薬メーカー/受託合成/受託分析 | 住宅設備/建材メーカー | 食品/飲料/化粧品メーカー | 玩具 | 日用品/文具/オフィス用品メーカー | 紙/パルプメーカー | 受託加工業(各種加工/表面処理) | 繊維メーカー | 家具/インテリア/生活雑貨 | ペット関連 | |
平均 年収(全体) | 790万円 | 606万円 | 559万円 | 506万円 | 504万円 | 498万円 | 495万円 | 485万円 | 474万円 | 472万円 | 467万円 | 457万円 | 443万円 | 438万円 | 434万円 | 427万円 | 420万円 | 417万円 | 410万円 | 394万円 | 394万円 | |
平均年収(年代別) | 20代 | 455万円 | 459万円 | 432万円 | 404万円 | 402万円 | 408万円 | 396万円 | 395万円 | 385万円 | 376万円 | 357万円 | 372万円 | 380万円 | 366万円 | 367万円 | 374万円 | 363万円 | 335万円 | 332万円 | 351万円 | 332万円 |
30代 | 665万円 | 646万円 | 568万円 | 507万円 | 519万円 | 485万円 | 490万円 | 498万円 | 481万円 | 474万円 | 477万円 | 448万円 | 459万円 | 455万円 | 451万円 | 428万円 | 438万円 | 409万円 | 420万円 | 408万円 | 424万円 | |
40代 | – | 686万円 | 671万円 | 594万円 | 627万円 | 582万円 | 580万円 | – | 547万円 | 596万円 | 554万円 | 565万円 | 499万円 | 536万円 | 562万円 | 484万円 | 471万円 | 473万円 | 497万円 | 452万円 | – | |
50代 | 1237万円 | 887万円 | 806万円 | 746万円 | 763万円 | 743万円 | 723万円 | – | 695万円 | 721万円 | 737万円 | – | 633万円 | 649万円 | – | 599万円 | 597万円 | 545万円 | 562万円 | 549万円 | – |
化学業界の特徴

比較的高い平均給与の化学業界ですが、このような労働環境の化学業界にはどんな背景があるでしょう?化学メーカーの特徴を解説していきます。
- 生活必需品のため経営が安定している
- BtoBで固定顧客に供給をし続ける優良企業が多い
- 上記を理由にホワイト企業が多い
特徴1| 生活必需品のため経営が安定している
みなさんが日常的に手にしている製品には必ず化学メーカーの製品が含まれています。例えば、今、記事を読んでいるスマホやPCなどの電子機器や、お菓子の包装などの食品関連まで幅広く化学メーカーの製品が素材として使用されています。化学メーカーから素材の供給がなければ人々の生活が成り立たなくなるため、景気や世情にかかわらず安定した経営をしている企業が多数存在しているのが化学業界の特徴です。

化学メーカーがないとみんなの生活が困るってことです!
特徴2| BtoBで固定顧客に供給をし続ける優良企業が多い
生活必需品を構成する素材を提供している一方で、化学メーカーの知名度が低いのはなぜでしょうか?それは、主な取引相手はまた別の製造メーカーであり、化学メーカーの製品が一般消費者に直接は届かないからです。そのような企業を主な取引先としている企業をBtoB企業といいます。化学メーカーのほとんどがBtoB企業です。化学メーカーは、その製品がないと取引先のビジネスが成り立たなくなるような、替えが利かない製品を大規模に取引しています。つまり独自性の高く他社の参入が困難な製品群を有し、固定顧客と継続的な取引をしている優良企業が多い点も化学メーカーの特徴と言えます。

替えが利かないものを大口取引している黒子的存在ってことです!各社のメイン製品は磨きがかかっています!
特徴3| 上記を理由にホワイト企業が多い
化学メーカーの特徴は生活に必要なものを黒子のように継続的に提供する点です。これにより、独自性を磨き続けそれを特許で権利化し続けることができます。各社の取り組みを通して競合他社の新規参入を防ぐことができます。IT業界で似たようなスマホアプリが複数社から立て続けにリリースされる時期を目にしたことはありませんか?QR決済アプリや家計管理アプリが乱立しています。それと対比して独自性が高いために製品の乱立は少なく、競合他社をあまり気にしなくていい製品群を有しているため、ホワイト企業が多いのも化学メーカーの特徴です。
まとめ
今回は化学業界の平均給与と、化学メーカーの特徴をご紹介しました。
化学業界が属する製造業の平均給与は他業種平均と比較して高いことがわかりました。また、製造業の中でも化学メーカーの平均給与は高いことがわかりました。その背景を化学メーカー特有の事情から解説しました。
ぜひご参考にどうぞ。