化学メーカーの技術系ってどんな仕事?理系学生が入社後最初に配属される可能性が高い部署について解説!

どうも、Dr.御餅月です!
本日は理系の大学院生が化学メーカー入社後最初に配属される可能性が高い部署について解説していきます。
私自身、大学・大学院で有機化学を専攻し化学メーカーに入社しました。当時はまったくと言っていいほど会社にどんな部署があるかもわからないまま配属されました。化学メーカーに入社してから実際に勤務した経験をもとに理系学生が化学メーカーにおいて最初に配属される可能性がある部署について解説していきます!
- 理系大学院生で化学メーカーへの就職活動を行っている学生
- 化学メーカーへの転職を考えている方
結論
分類 | 部署名 | 概要 |
---|---|---|
現行製品に 直接関連する部署 | ①開発 | 製品の開発・改良・新規用途開拓 |
②生産技術 | 生産プロセスの開発・改良 | |
現行製品に 直接関連しない部署 | ③研究 | 将来的には製品になる かもしれない基礎研究 |
④知財 | 特許構築を担当する部署 | |
⑤分析評価 | 分析装置を使った詳細分析 |
化学企業の技術系職はどんな部署がある?

まず配属の可能性がある部署を大きく二つに分けて考えます。現行製品に直接関連する部署と、現行製品に直接は関連しない部署です。この考えは直線利益を生み出す部署かどうかが判断基準です。化学メーカーは当然利益を出すための組織ですので、現行製品を作る→売るという流れが背骨にあります。このように現行製品に直接関連する部署を直接部門といいます。対して、人事や広報、基礎研究や化学分析などの現行製品とは直接関連がない部署を間接部門といいます。
どちらも会社の運営に必要な組織ですが、少々毛色が異なります。現行製品に直接関連のある部署は、ほかの部署と比較して納期が特に明確に設定されています。したがって、仕事の終わり(ゴール)が比較的わかりやすく設定されています。一方で間接部門は正解が一つではないこともあり、長期戦でゴールそのものを自分たちで作るような仕事も含まれます。

イメージは、、、
直接部門:短期 納期明確 ゴール明確 スピード感
間接部門:長期 テーマゴールも不明瞭 気長にコツコツ
現行製品に直接関連する部署

開発部門は顧客や市場の要求に合わせて、現行製品の改良や顧客ごとに合わせたチューニングを行う部署です。年々顧客からの要求水準は高くなっていくので、素材を供給する化学メーカーでは現行製品のブラッシュアップを日々行っています。そのような仕事をするのが開発職になります。また、同じような製品群でも同じ顧客でも取引ごとに少しだけ異なる物性を要求してくることがあります。そのチューニングを行うのも開発職の仕事になります。
一方で、現行製品を別の用途に展開する活動もこの部署が担うことが多いです。
開発部門が製品の改良やチューニングを行ったものを実際に製造することを仕事とするのが生産技術部門です。実際に製品を製造するという意味で企業の背骨となる非常に重要な部署です。開発部門が実験室スケールなのに対して、一回り大きなドラム缶くらいの試作スケールにはじまり、最終的には巨大な製品製造ラインでの生産の技術に関わるお仕事です。実験室でうまくいっても工場のような大きなスケールでもうまく生産できないと製品になりません。したがって、製品化のスケールアップでの問題を解決するのが生産技術部門での主な業務です。プロセス開発部門とも呼ばれます。

化学メーカーが製造業に属する理由が上記2部署には詰まっているよ!
直近の会社の売り上げを担う部署なのでモノづくりで貢献したいという人にはピッタリな部署だよ!
現行製品に直接関連しない部署

現行製品とはあまり関連のない研究をおこない、新規用途を想定した基礎的な研究をおこなうのが研究部門です。世間の需要を考え、自社の技術を使って提供できるモノは何かをひたすら考えて実験する人たちです。比較的新しい技術に触れる機会も多いため、学会や展示会に参加することも多いです。また、企業によっては大学院のように論文を執筆することもあります。

わたくしDr.御餅月は初期配属から研究部門にいるよ!
年単位の長い計画を立てて実験をしてるよ!
技術系の部門が汗水流して作り上げた技術資産を他社が簡単に真似できないように権利化する、いわゆる特許化する部門。この部門の方々の働きのおかげで特許が成立し、他社との競争優位性ができるため、化学メーカーには独自性が強い会社が多い。法律系出身の文系卒の方も多いが、理系卒の技術面をサポートできるメンバーも必要なため初期配属の可能性もありうる。
さまざまな分析装置を使用して詳細な分析をおこなうことを仕事とする人たち。開発・生産技術部門や研究部門ではおこなえない詳細な分析を依頼されて実施することが多いです。大学におけるテクニカルスタッフのような立ち位置で、企業によってはこの部署の人にしか扱えない分析装置もあったりします。化学業界には分析業務を受託する「○○分析株式会社」や「××リサーチセンター」といった会社が存在するくらい分析業務だけでたくさんの業務があり重要なお仕事です。
まとめ
今回は理系学生が化学メーカーに入社した場合、初期配属される可能性がある部署を解説しました。技術系の部署といっても様々な部署が存在していてどれも魅力的なお仕事をしています。
ご参考になれば幸いです!